2001/12/02
[BUTU0031] なぜかAir"H
をGet

 トランスメタのばかやろー、と叫んでいるうちに、買ってしまいました。Air"Hを。なぬ?LOOXに入っているじゃん、という声が聞こえてきそうです。そう、あなたは正しい。

 それなのに、なぜ、まさぞうはAir"Hを入手したか。LOOXの発売日が延期になった腹いせではありませぬ。それは、利用するシチュエーションに関する考察からじゃ。

  • 利用するシチュエーションとしては、外出先が多い。会社や家では常時接続環境がすでにあるから必要ない。
  • 通勤を考えると、電車の中での利用がほとんど。すわれればLOOXでもいいが、立っていることも多いし、乗り換え時にはLOOXを抱えたまま出入りするのは難しい。
  • また、オフの時にはLOOXは持ち歩かない。オフぐらい最低限の小物で済ませたい。

ということで、通常使用ではPDA+Air"Hという組み合わせがベストと判断し、Air"H購入へとコマが進んだのであった。LOOXのH"Inは、「使っただけコース」に加入し、いざというときのダイアルアップ回線として使うことにした。

 使うのは、どこでもWeb閲覧と、どこでもメール、それからちょっとしたコンテンツのどこでもアップロード、である。3つめのやつは、サーバ側にCGIを組んで、テキストベースで掲示板みたいにすれば1番目に吸収できる。もともとコンテンツをきっちり作るのはパソコンでやるので、PDAでフル更新など考えていない。

 さて、Air"Hと組み合わせるPDAであるが、 いざ考えてみると、なかなかいいのがない。問題点の1つめはWebブラウザの仕様である。PDAの画面は小さい。当然Webブラウザに表示されるコンテンツの領域も小さくなる。すると、ほとんどのコンテンツでスクロールが必要だ。縦ならまだしも、縦横スクロールとなると、1ページみるたびにストレスを感じる。Q-VGA用に最適化されているサイトもあるが、いつも見ているサイトは多くの場合、VGA以上を前提にしている。

 問題点の2つめは、URLの入力である。手書き系のインターフェースを持つPDAでは、URLの入力は、かなり苦痛だ。ソフトウェアキーパッドを使うしかないが、たとえばPalm機では「:」がないなどうまくない。よく使うサイトは、1度苦痛を感じながらURLをいれてしまえば、あとはBookmarkさせておけばいいという考え方もあるが、街中で見つけたURLをさっと入力し、情報をGETするというのがAir”Hの醍醐味でもあるから、魅力半減である。

 問題点の3つめは、可能な通信時間である。せめて1日はもたせたい。これはいいかえれば電池の持続時間の問題に置き換えられる。たくさんの容量を持つ電池は、それだけ重量も大きくなる。電池を換えるのは若干のオペレーションの不便さがあるが、がまんできる。電池の交換、あるいは継ぎ足しのできないPDAは、本体バッテリだけで勝負することになり、かなりつらい。

 このような問題点から現状のPDAを考える。いきなり、脱線するが、秋葉原LAOXのコンピュータ館がリニューアルされ、1階にPDAコーナーが新設された。各社PDAが展示してあるのは、他店と同じだが、CFタイプのLANカードが挿さっており、PDAでインターネット接続状態でPDAが展示してあるのが違う。つまり、Webブラウザの動作チェックができるのである。非常にすばらしい展示手法であり、LAOXさんにはまさぞうの物欲健闘賞でも与えたいくらいだ(なんのこっちゃ)。買うときは価格.COMをクリックしてしまうまさぞうなどにはなんの売り上げ貢献にもならないが、シロートさんが説明を受けながら納得して買うという販売形態ができるだろうと期待する。ということで、LAOXさんのご協力(してないっつーの。勝手に展示をさわっただけでしょ!)のもと、各種PDAを比較してみる。

 まずは、CLIE。所有しているのはN700CとN500Cだが、Webブラウザは160×160であり、問題1にひっかかる。問題2もクリアできない。問題3もだめ。というか、そもそもAir”H用のコンパクトフラッシュスロットが標準では存在せず、サードパーティーのアダプタを利用しなくてはならない。これがまたよけいな重量となるし、サーボパーティー合体ロボは相性問題が発生しがちなので、まさぞう的にはだめである。所有していないが、T600Cは、ジャケット型で予備電池としても使えるコンパクトフラッシュスロットが増設されるという点で問題3はクリア。しかし、問題1、2がある以上、CLIEでのWeb閲覧はストレスとの戦いであることを認識しなくてはいけない。

 つぎに、PocketPC。所有しているものはない。店などでさわった感触だけで考察する。問題1は200×320のQ-VGAなのでCLIEよりはまだましというレベル。縦横スクロールは発生する。問題2は手書き入力であるのでこれもだめ。問題3は、標準で充電池が交換可能な構造にしてあるもの、あるいはジャケット式が使えるものがあり、条件クリアである。さらに、CFのスロットおよび、メモリーとしてのSDスロットもあるモデルがあり、その点では問題ない。これだけだと、CLIEよりはまし、というレベルである。

 そして、ZAURUS−E21。これも所有していない。ので、店などでさわった感触だけで考察する。問題1はQ-VGAなのだが、いくつかの工夫がなされている。その1つはブラウザが縦横の切替ができるのである。2つめは文字サイズや画像などの圧縮度合いがかなり良いことである。この2つを組み合わせてみると、スクロールは発生するものの、かなりのコンテンツが認識可能な大きさでブラウザに収まる。そして、問題2であるが、E21にはキーボードがついている。先ほどの縦横切替のブラウザとのハーモニーで、URLいれるときは縦、閲覧やクリックは横というように使い分ければよい。さらに問題3は充電池の容量は小さいが、交換ができる。そしておまけだが、先ほどのLAOXで試したら、コンテンツの表示が他のデバイスに比べてやけに速いように感じた。このように問題点はほぼ全部クリア、さらにおまけつきで、現在の一押しの環境である。

 ついでに、WindowsCE機も考察する。VGA以上の機器もあるが、パソコンと同じ容積になってしまうので、ここでは、Jornadaとする。前述のLAOXにてJornada720にて確認した。問題1は横幅が640ピクセルあるので、問題なし。問題2は秀逸なキーボードがついているので問題なし。問題3もそれなりの容量のバッテリーが入っているので1日ぐらいなら大丈夫だろう。しかし、容量が500g程度と他のPDAに比べて重いことと、やや表示速度が遅いことがマイナスポイントである。

 このように考察すると、現状で最もいいのはZAURUS−E21だということになる。しかし、E21にはいくつかの不満点もあり、次世代機待ち、ということで物欲風船を破裂させることは重いとどまることにした。中古で2万円台で買えるなら別だが。PocketPCやCLIEでは通信はできてもストレスだらけという結果だ。余分な初期投資をせず、とりあえずAir”Hの「どこでもインターネット」環境を体験してみるには、手持ちの札からいうと、Jornada680ということになる。現在テキスト入力マシンとして全開バリバリであるが、これにWeb、メールとしての使い方をプラスする。

 実際の使い勝手などは、別のコラムにて。

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