[CLIE0029] 製品デザインバランスと物欲フラグ 2000/09/23

Palm MLを読んでいると興味深い投稿があった。若い女性にVisorが人気だという。なぜか?

「スケルトンでかわいいじゃん。カラーもいろいろあるし」
「彼氏とおそろい。だって教えてもらえるじゃん」

Palmの誇るHot syncも起動の早さもこの人には関係ない。「かわいい」の一言すべて、使ってみたら手帳とゲームの用途で満足だというのだ。必要なアプリは彼から赤外線ビームでゲット。噛めば噛むほど癖になるGraffiti文字はまったく使わず、ソフトウェアキーボードで入力。うーむ。

まさぞうの物欲フラグとは明らかに違う人種だ。物欲フラグとは、ものを買うときにあーでもないこーでもないと思い描く条件のことだ。
上記の彼女の場合は、「かわいい」というのが最大の物欲フラグであり、PalmVxのようなデザイン的に美しい(と、まさぞうは思う)ものでも「かわいい」にはならないのである。物欲フラグが立たない以上、PalmVxをレジにもっていくことはしないだろう。

このように、人によってこの物欲フラグは異なる。それがまた興味深い。「CLIEって最高!」と誰かが思っても、ある人にとっては「なんで?かわいくないじゃん」となってしまう。その人の人間性や普段の行動も加味しないと自分が良いと思うものでもうかつに薦められないのであーる。

製品のもつデザインのバランスが物欲フラグを動かす。フラグは1つではない。普通、ある対象物に対して複数ある。それらのすべて、あるいは、重要なもののいくつかがONになったとき、その人の足はCASERに向かう。現金あるいはカードをにぎりしめて。

さて、ここで、物欲コンサルタント(笑)を目指すまさぞうは、PDAにおける物欲フラグとやらを発想してみようじゃあーりませんか。これによって、みなさんが何を重視するが明確になって、悔いの無い物欲活動に爆進できれば、この企画は成功。

で、できたのが下のリスト。優先順位はまさぞうの主観なので、これはみなさんがポイントづけしてね。あなたにはあなたの重み付けがあるはずなのだ。

物欲フラグ まさぞうの評価
カラーである 表現力の高さからしてやっぱカラーだ。カラー液晶をもつPDAはいくつかあるねえ。
とにかく小さい、軽量 カラーうち、最小最軽量はいまのところCLIEだ!これでほぼ選択肢はひとつに。
起動がウルトラ早い 長いPDA暦でこれははずせない。このフラグもOK。
パソコンとのデータ連携が容易 PalmOS機全体のメリットですな。これもいい感じ。
ZAURUSにもがんばって欲しいなあ。
ソフトウェアが豊富にあり自分に最適な一品を選べる PalmOS機全体のメリットですな。
プログラム環境が充実している PalmOS機全体のメリットですな。特にエミュレータは秀逸!
容量の増設が可能 使いたいソフトにいっぱい巡りあったら、そりゃ全部携帯したくなるつーのが親心。
CLIEはぎりぎりのところでこれをクリア。早く本体メモリ同然に使えるソフトの登場が期待される。
日本語がきちんと扱える CLIEは標準対応なのでOK。
標準対応なりパッチ形式なり方式はなんでもいいんだけど、2バイトコードがきちんと使えるのがいいねえ。HP200LXのようにBack Spaceのたびに文字化けするようではストレスUP!
充電できるまたは充電池が使える 電池代って、ばかにならないのよ。ZAURUSも充電池で使ってた。
小一時間程度ホールドしていても疲れない筐体である 移動中の電車の中で扱うとき、手にしっかりなじむCLIEはまさぞうに最適だ。あとのはすべて手に余る。
参照だけなら片手でスタイラスなしでも操作できる 快適さの追求ですな。CLIEにはjogダイアルがある。これも移動中に欲しい機能だ。
デジカメとの連携が可能 これはまだいまいちですな。CLIE単体でJpeg→Palmファイル形式変換ができるようなソフトの登場を期待。
豊富な周辺機器 豊富さは選択できるから良い。しかし、使えないものはいくらあってもだめだめなのだ。秀逸なキーボードを持つPalm機がすばらしい。しかしMP3プレーヤーやデジカメなど電池食いは単体で使うべきであり、まさぞうのフラグは立たない。
インターネットに接続可能 これは緊急避難的な要素が強い。だって、imodeでほとんどが済んでしまうのですもの。コンテンツも常時接続されたパソコンからおとせればいいのである。
シンプルなデザイン かわいさや派手さは必要ない。まさぞうはアンチスケルトンなのだ。よってVisoerは却下。デザイン的にはPalmVxが一番美しいと思う。しかし、これは慣れの問題なので必須フラグじゃない。
画面表示量 160×160ではちょっと物足りない。画面サイズはこのままで倍の解像度は欲しい。このあたりは、次期Palmプラットフォームに期待。
画面表示がきれい これは慣れの問題。もちろん良いにこしたことはないぞ。
Ready To Runですぐ使える PIM的な機能はすぐにつかえることが一般的なニーズだと思うが、まさぞうは機械おたくなのですぐに使えなくったっていい。それよりも最適にチューンできる方が重要だ。

うーむ。自己分析してみると、「できること」「操作の快適さ」が強く、「見た目」は最低レベルを保っていればおっけーという感じですな。

一部の人が大騒ぎしている液晶画面の視野性についてのまさぞうの感想は、文庫本が読める程度の光源が確保できる場所なら何の問題もないように思う。むしろ、問題だったのは日中の屋外で利用であり、全透過型TFT液晶を持つLibrettoなどのパソコンを使うと「何もみえーん。太陽のばかやろー」ということが毎回であった。ところがところが、CLIEを屋外で使用するたびにその液晶の特性がありがたいと思う。「うっひょー、良くみえるぜ!」と感動ものである。

それでもあえて暗がりでの利用について語るなら、唯一気になるのが夕暮れ時の屋外。どこかの宗教だったか、白の糸と黒の糸をたらして、それが丁度同じ色(灰色)になる瞬間が昼と夜の境目だというのを聞いたことがあるが、おそらくそのあたりの時間では、外光の強さとCLIEのバックライト点灯時の画面の光量が同じになる。このときは残念ながら単体では画面に何が映っているのか確認しにくい。

しかしここでめげるまさぞうではない。バックライトのないHP200LXやPocketZAURUSだって、この時間はみえないのだ。そこでCLIEを使う前から秘密兵器を装備している。光がなければ光を作ればいいのであーる。「出でよ!ライジング・ザ・サン!」

 

それはミニマグライトだ。まさぞうはここぞというときにこれを口からぶらさげて(笑)、利用している。これがあれば、「暗いよう、みえないよう、予定がわからないよう」問題はとりあえず解決する。メーカーに「どうしてくれるんじゃい」と文句をつける前に運用でなんとでもなるということに目を向けた方が精神衛生上良く、ストレスもたまらないよん。それでも「いやーん」という方は、うまが合わなかったのだということで、オークションで次のご主人に旅立たせた方がパートナーも満足だし、毎日喧嘩したくなることもなくなるので自分のストレスもたまらない。

まあ、これだけ悲鳴があがるということは、メーカーとして厳粛に受け止める必要があるだろう(あー、まさぞうも耳が痛い)。このテーマのまさぞうの望む方向性としては、日中の屋外での視野性は確保しつつ、死角である暗がりでの光量確保に技術的努力をつぎ込んで欲しい。くれぐれも全透過型の液晶なんて方向にいって欲しくないぞ。フタにライトをつけるとか、方向性はいろいろとあるのだから。

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