2000/12/17
[CLIE0043]
メモリースティックによるテキストデータ交換

 前回、CLIE、Joranada、VAIOの連携によって、Webコンテンツの着想から公開までのフローを紹介したが、今回はこの連携に活躍するメモリースティックについて述べることにしよう。

 Webコンテンツの大部分はテキストデータである。このテキストデータの入力に着目してみると、ほとんどはJornadaから開始される。ついで、PCからの入力が多い。つまり入力はキーボードを使い、カット&コピーも多用しながらバシバシこなしていくやり方に徹底している。CLIE本体での長文入力は不可能ではないが、Words per Time Ratio(時間あたりの入力文字数)が低いため、まさぞうにとってストレスの原因となるからやらない。時は金なり、であろ。なにせこの原稿もステッパーに乗りながら書いているくらいだ(爆)。とはいうものの、CLIEでの長文入力はやらないかというとそうでもない。緊急避難的に手段は用意しているのだ。それは理由とともに後で解説しよう。

 さて、Jornadaである程度のテキストができあがった。次にそのテキストデータをPCに転送する。この場面ではいくつかの手段の選択肢が存在する。

  1. シリアルケーブル経由でActive Syncを使う

  2. LANカード経由でActive Syncを使う

  3. カードスロット経由でメモリ媒体を使う。

 1.だが、JoranadaとPC間ではPalmのHot Syncと同様のデータ同期の仕組みであるActive Syncがある。機構的にはPalmのそれよりも強力的で、つないだ後はエキスプローラーでファイルのドラッグ&コピーなんかもできる。Palmのコンジットのようにデータ変換の仕組みもある。WindowsベースのPCで使う分には最強といえよう。物理的なつなぎ方にも2通りあり、シリアルポート経由でつなぐ1.のようなやりかたと、LANカードを使ってつなぐ2.のようなやり方がある。できることは一緒で、速度が圧倒的に2の方が速い。

 3.はJornadaのカードスロット経由でメモリ媒体を使ってデータを保存し、メモリ媒体をPCのスロットに差し替えてデータを利用するというやり方だ。

 まさぞう的には「速さ」と「楽ちんさ」で3.の方式を採用している。1.は遅いので問題外、2、は速さはそれなりであるが、毎回LANカードを差し込むという行為がTPケーブルの取り回しの面で、いまいち面倒くさいのである。

 メモリ媒体にはメモリスティック以外にもコンパクトフラッシュやスマートメディア、MMC、SDカードといろいろなものがある。なぜメモリースティックかというと、CLIEで採用しているからというのが一番の理由であり、ついで「飛び出す!」というのが次にくる理由である。コンパクトフラッシュは端子間が食い込むため、はずすときに若干力がいる。メモリスティックはボタンを押すと文字とおり飛び出すのである。この挙動がすこぶる気に入っている。

 さて、メモリースティックを扱うためには専用のスロットが必要である。CLIEはすでにそれを持っているので、JornadaとPCであるVAIOに専用スロットを増設する必要がある。

 まずJornadaにはPCカードとコンパクトフラッシュ用のスロットがある。この筐体の小ささで2つのスロットを実装するのは驚きである。この2つのうち、まさぞうはPCカードスロットにメモリースティック用のカードアダプタを挿しっぱなしにしている。JornadaはさすがWindowsCEマシンである。ストレージ系のカードアダプタは何の設定もなく認識してしまった。

 つぎにVAIOである。メインマシンのVAIO R73KにはPCカードスロットがある。Jornadaと同様ここにメモリースティックのカードアダプタを挿すという手もあるが、このスロットはMP3プレーヤーおよびデジカメ用にマルティメディアカードやコンパクトフラッシュを使うために空けておきたい。という訳で導入したのがメモリースティックスロット付きのマウス、SONY MSAC-US55である。このマウスはUSB接続であり、マウスボールなしの光学式のすぐれものである。インテリホイールがダイアル式じゃないのがちょっと残念であるが、マウス以外の他のもので散らからないという点で評価できる。ついでに残念なのは、メモリースティックの脱着にPCカードのようにPC上での停止操作がいるということだ。

 ちなみに会社のマシンにもメモリーカードスロットを増設した。仕事上の原稿もWeb原稿を書くときのやり方とほぼ変わらない。机の上でウンウン唸りながら発想するよりもリフレッシュコーナーで外でも見ながらやった方がうまくいく場合が多い。そのような執筆の初期段階なときにはJornadaが活躍する。会社のPCのスロットは、物欲日記で紹介したRadius社のfire driveというメモリースティックとコンパクトフラッシュの両方が使えるスグレモノ。脱着にPCカードのようにPC上での停止操作がいらないところもGoodだ。

 さて、このようなメモリースティックを流通できる数々のグッズをそろえることで快適なデータ交換環境が構築された。メモリースティックが仲介してそれぞれの仕事に最適なツール達が協調し、みなさんに読まれるWebコンテンツが出来上がるというわけである。まさにキューピットというべきか。

 最後にCLIEでのメモリースティックを使ったテキストデータ連携である。用途としては、CLIEを持っていてJornadaやPCがないというシチュエーションにおいて、ちょっと隙間時間ができた場合の文章校正にCLIEを使っている。この際利用するPalmwareはJ-DOC ReaderとSmart Docである。J-DOC Readerはメモリスティック上のテキストファイルをPalm標準のDOCデータに変換する機能を持ち、Smart Doc(現在はQuick Wordに進化した)はDOCデータを編集できるエディタ&ヴューワである。これに貼り付けケーボードのThumb TypeとPOBOXを使うとWords per Time Ratioはよくないが、まさぞう的にはなんとか使えるものとなる。鞄を持っていない場合はJornadaを持っていかないので実際このシチュエーションはよくある。しかし、そんな場合は頭の中のインプット時間にあててしまい、CLIEにいれているDOCデータの閲覧で隙間時間は埋まってしまうので、この利用法はそれほど多くないのが現実だ。ますますCLIE=ビューア装置、Jornada=テキストエントリ装置という構図が明確化しているまさぞうの使い方である。

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